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そのときは私は留守で、カギをかけていましたが、数字のカギを合わせて家に入り、かばんを置いて外へ遊びに出かけていました。数字の番号は教えておきましたが…。「よくぞこんなに育ててくださった」と、先生や寮母さんに改めて感謝の気持ちを強くするとともに、「競って一体何を子供のためにしているのだろう。ときどき連れに行くだけで、何もしてやることができないでいるのに」と、思いました。
中学に進んでからは陸上部に入り、先生方の指導で全国大会にも出場させてもらいました。大村の高校と専門学校でも全国大会に出場しました。また金メダルなどももらいました。
本人も何事にも自信がついたように思いました。それから時間はかかったが、在学中に車の免許も取得できました。
学校のお世話で五十八年の卒業と同時に刈谷市の友沢木工所に就職し、仕事を変えることなく働いています。いまでは親に頼ることなく、一人でアパートで生活し、友だちと旅行などを楽しんでいます。
これも、先生や寮母さんのお陰と思います。また刈谷市から車で帰宅したときは嬉しくて、子供の運転する車で始めて島内を乗せてもらいました。最近ではファックスで連絡を取り合っています。一日も早くいい人と結婚ができることを待ち望んでいます。

 

 

 

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